インプラント症例②(2症例)
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セラミック修復とインプラントによる全顎的な治療症例(50代:女性)
▼こちらの患者様は右上の前歯が折れたとのことで来院されました。
(図:初診時=正面・側方面・咬合面)
右下奥歯が欠損しており、義歯を作ったことがなく長期的に歯がない状態で過ごされていました。噛み合わせが深く、下の歯がほぼ全体に隠れて見えない噛み合わせ=過蓋咬合(かがいこうごう)をしていましたので、深く噛みこんだ上に奥歯がなかったことで、前歯が破折したものと解説しました。
治療計画の立案
(図:初診時レントゲン)
※欠損部の対合歯(青)は、咬み合う歯がなかったため、下に長く伸びています。
治療計画として、右下奥歯にインプラントを入れ、さらに左側奥歯についてもセラミック修復をすることにより、左右両方の奥歯が安定的に噛むことを一つの改善点としました。
顎の運動を測定し、理想的な噛み合わせに近づけるため、上下顎の位置と歯の位置関係を精査しました。
また、被せ物も古く歯肉との境目に隙間があった前歯は、2次的な虫歯を防止するため、古いかぶせ物を取り除き、根の治療を含めたセラミック修復により、審美的な改善も進めました。
さらに、右上奥から2番目の歯は抜歯後、両隣の歯を短くし咬合平面を揃え、セラミックブリッジを製作、全顎的な治療で咬み合わせ・審美性の修復を行いました。
(図:治療計画書画像)
CTでの精密検査/ステント試摘
(図:術前CT・ステント試摘)
リスクを最小限に抑え、よりスムーズな手術を実現するため、CT精密検査でインプラント埋入時に使用するステントの位置を確認しました。
インプラント手術の実施
(図:術中画像・ステント試摘・ステントにて埋入・埋入後)
(図:術後CT)
インプラント治療前には、除菌・クリーニングによる歯周病リスクの改善を進め、短期的に口腔内清掃を行い、CT画像を基に製作したステント(ガイドシステム)を用いてインプラント埋入手術を実施しました。術後のCT画像で計画どおりの位置にインプラントが埋入されたことを確認。
治療完了後の経過観察
(図:経過観察時・口腔内画像)
(図:経過観察時・レントゲン)
完成後は、咬耗や加重によるセラミック・天然歯の破折を防ぐため、ナイトガード(保険適用マウスピース)を製作しました。
その後は3ヵ月に一度のメンテナンス、半年に一度の健診により、経過観察をしていますが、2017年4月の治療完了後以降も経過は良好です。
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義歯を製作予定だった欠損部をインプラントで治療した症例(10代:女性)
▼こちらは他医院で義歯を製作予定であった患者様が当院でインプラント治療を選択された症例です。
右下小臼歯が1本先天的に欠損しており、乳歯の抜けた後に大人の歯が生えてこない状況でした。そのため、手前に並んでいた歯が数本奥側に傾いて、もともとあった歯のスペースが狭くなってしまっていました。
(図:初診時レントゲン)
治療法の選定
義歯以外での咬み合わせの修復法には、「ブリッジ」と「インプラント」がございます。
ブリッジという選択肢は、両隣の歯を大きく削り落としてしまい、削ったところから虫歯ができやすいため、将来的に神経をとることになる可能性が高くなります。神経をとれば歯が死んでしまいますので、歯根は枯れた木のように脆く割れやすくなり、先々長く保存することが難しくなります。
また、インプラント治療についても外科治療が必要になることなどをはじめ、利点・欠点や治療期間・費用・手術方法や合併症リスクについてご説明した上で、患者様はインプラント治療を希望されました。
矯正治療後にインプラント手術を実施
(図:矯正治療時の口腔内写真)
欠損した箇所にインプラントを入れるために、まず矯正治療を行い、傾いた数本の歯を適切な位置へ移動させます。矯正医との連携により理想的なスペースが確保できたため、スムーズにインプラントの手術を行うことができました。
インプラント治療から10年後の口腔内
(図:2019年2月撮影のレントゲン/口腔内写真)
2011年に行った手術でしたので、当時の資料に限りがありますが、10年目の現在も良好に維持しています。これからも定期メンテナンス、健診を通して経過観察とお口の健康をサポートしていきます。
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