抜かない・削らない治療
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天然歯の維持「できるだけ抜かない・削らない」保存治療
さとう歯科クリニックでは天然歯の維持にこだわった歯質保存治療に努め、できるだけ健康な歯に手を加えない低侵襲な処置を心がけています。こちらでは、出来るだけ「抜かない・削らない」ために、当院が実施している処置や取り組みをご紹介致します。
さとう歯科クリニックが実施する「削る」を最小限に留める対策
天然の歯は一度手を加えると元には戻りません。ですから、いかに手を加えず治療を終えるかが、我々歯科医の腕の見せ所となります。さとう歯科クリニックでは様々な器具や薬品を用いて「削る」を最小限に抑えた治療に努めています。
精度の高い処置と見落とし防止のための対策
歯科拡大鏡による的確な処置
歯科治療全般に言える事ではありますが、自分の目でしっかり確認しながら、処置を行う事が重要です。肉眼の約8倍の拡大視野の下、患部の状態を常に確認しながら、見落としや削り過ぎに注意しながら丁寧に歯を削ります。
削るべきかの判断を数値で見極める
従来の虫歯治療では、削るか否かの判断を歯質の変色や、硬度などで判断をしていました。当然ながら、歯科医の勘や経験に左右され、本来削らなくて良い歯が削られたり、内部の虫歯を見落としたりする場合がありました。当院では、そういったリスクを回避するために、特殊なレーザーを照射する事で、虫歯の早期発見、削るべきか経過観察かを数値で判断できる「ダイアグノデント」と言う器具を用いて治療を行っています。虫歯の早期発見・早期治療によって、削る量を最小限に抑えることができます。
う蝕検知液による感染部位の特定
虫歯に感染した患部のみに色素が付着する「う蝕検知液」を使用します。健康な歯と感染部分の区別が目に見えて確認できるため、削る量を最小限に抑えた的確な切削が出来ると共に、細部の虫歯見落としによる人為的ミス防止にも役立ちます。
エキスカベーターによる繊細な処置
虫歯に感染した部位は、歯質が軟化するため、最後までドリルで処置を行うと、削り過ぎてしまう可能性があります。当院では最後の仕上げに「エキスカベーター」と言う耳かきに似た器具を用いて手動での丁寧な除去を行います。
虫歯を蒸散する低侵襲なエルビウムヤグレーザー
当院では、歯科用レーザーの中で唯一歯を削ることが認可されているエルビウムヤグレーザーを完備しています。
軽度の虫歯(初期虫歯)であれば、エルビウムヤグレーザーを照射し、虫歯部分をピンポイントに蒸散させることができるため、健康な歯質を多く残すことができます。
ドリルのような振動や音はもちろん、痛みなどもほとんどないため、快適な処置が可能です。
※エルビウムヤグレーザーによる低侵襲な処置についてはあくまでも軽度の虫歯(初期虫歯)が適応範囲となり、全ての虫歯治療が痛みなくできるというわけではありません。虫歯の進行状態や部位によっては麻酔の実施、通常のドリルでの切削が必要となります。
CAMBRAという先進予防法
削る量を最小限に抑える一番の方法は、健康状態を維持する事です!つまり、虫歯にならないように、予防をしっかり行う事が重要です。現在、当院が力を入れている医学的根拠に基づいた予防法「CAMBRA」は、歯科先進国でも評価が高い予防法として、注目を集めています。もう歯を削りたくないという方や、自身の歯を維持したい方は、お気軽にご相談下さい!
さとう歯科クリニックが実施する「歯を抜歯から守る」対策
天然の歯に勝るものはありません。歯科医師が、なぜここまで頑張るのか。それは、天然の歯を抜歯から守るために他なりません。当院では抜歯は最終手段と考え、できる限りの処置をもって治療を行い、抜歯の回避に努めています。
重度の虫歯に対する抜歯回避の対策
拡大視野で行う精密根管治療
虫歯が進行して、神経にまで達した際には、根管治療という歯の内部の治療が必要となります。根管内部の虫歯感染部位を綺麗に除去した後に、消毒・殺菌を行わなければなりません。
言葉にすれば簡単な治療に思えますが、実際は歯科治療の中でも、最も難しい治療の一つとされています。根管内部は非常に小さく、暗いといった視界が悪い中での治療となるため、肉眼では的確な処置が困難となり、精度の低い治療となってしまいます。
当院では歯科拡大鏡を使用して、一つひとつの工程をしっかり目で確認しながら精度にこだわった処置に努め、再発リスクを抑えた精密根管治療を実施しております。
ラバーダムによる治療部位の隔離
当院では根管治療や修復治療を行う際に、ラバーダムと言うゴム製のシートを使用しています。処置を行う歯を、細菌だらけの口腔内から隔離する事で、治療患部への細菌の侵入を防ぎ、再発を抑えた治療に努め、将来的な抜歯リスクを軽減しています。
MTAセメントによる神経存続と歯質保存
歯の中枢にまで虫歯が進行して、神経付近にまで達してしまった場合にも、将来の事を考え、安易に神経を抜いたりなど致しません。MTAと言う高い殺菌力と組織修復効果を兼ね備えた歯科用セメントを用いた「覆髄処置」を実施。虫歯菌の不活性化によって神経を保存できる可能性が高まり、将来的な抜歯リスクの軽減が見込めます。
エクストルージョン法の実施
度重なる虫歯治療によって、歯肉よりも上に歯質がない状態になってしまった場合に、かぶせ物に必要な土台を設置しても、しっかりとした適合性が得れず、脱落のリスクが高くなります。通常このような状態では抜歯後、インプラントなどの治療を行うのが一般的ですが、当院では、歯肉に埋もれた残存歯を引き上げる「エクストルージョン法」を実施して、かぶせ物との安定を得る事で抜歯の回避に努めています。
歯根端切除術で抜歯を回避
根管治療を行っても、症状の改善が行えない場合があります。こういった場合には、歯の根の先端に病巣が存在している可能性が高く、治療が困難な場合には、抜歯を進められる事も少なくありません。当院では根尖病巣がある場合に、歯茎を切開して、直接、病巣部分を切除する「歯根端切除術」を実施してできる限り抜歯を行わないように努めています。
ルートセパレーション
根分岐部に病変がある場合は、そのままの状態では処置が難しいため、ルートセパレーションを実施いたします。歯根の分岐部分で歯を2分割し、歯根部分の歯石除去やブラッシングをしやすくすることによって根分岐部病変を改善し、抜歯の回避を試みます。
歯周病治療に対する抜歯回避の対策
歯周組織の再生による抜歯の回避
歯周病が進行すると、歯を支える骨を溶かし、やがて歯が抜け落ちてしまいます。当院では歯周病治療の最終的な仕上げとして、リグロスによる歯周組織の再生を行い、歯が抜けないように歯槽骨を修復します。
歯周外科治療の実施
中度から重度の歯周ポケットが深い患者様には、抜歯リスクの軽減を考慮して、歯周外科治療を実施致します。麻酔後、歯肉を切開して歯周ポケットを露出した状態で、徹底した歯石除去や感染部位の切除をします。
エルビウムヤグレーザー・炭酸ガスレーザーの活用
当院の歯周病治療では、必要に応じてエルビウムヤグレーザーと炭酸ガスレーザーを活用し、歯周病症状の改善、抜歯の回避に努めています。
エルビウムヤグレーザー
歯面や歯周ポケット内にレーザーを照射し、付着した歯石を取り除きます。一般的な歯石を取り除く機器に比べて不快感が少なく、さらに殺菌効果もあるため、効率良く歯周病症状を改善できます。
炭酸ガスレーザー
歯周病治療で外科処置が必要な際は、炭酸ガスレーザーを活用します。炭酸レーザーは、血管を固めながら軟組織を切開するため、出血を抑えながら処置が可能です。さらに、レーザーを照射することで殺菌効果や治癒促進効果も得られるため、負担が少なく効果的です。
ルートセパレーションにて清掃性を改善し歯を保存した症例
▼ルートセパレーションによって歯根を分割し、歯根分岐部の清掃性を高めることで症状を改善、歯を保存した症例です。
初診時の口腔内
右下6番のCT画像を精査した結果、清掃性を改善すれば十分に歯の保存が見込めると判断しました。ルートセパレーションによって歯を分割し、かぶせ物を装着して歯の形態を修復する計画を立てました。
根管治療の実施
根管治療後のレントゲン写真です。歯根の先端までしっかりと充填されていることが確認できます。
ルートセパレーションの実施・仮歯の装着
土台にファイバーポストを装着した後、ルートセパレーション(歯根分割)を実施。その後、仮歯を装着して経過を観察しました。
治療完了
経過観察では特に問題も見られず症状も改善したため、最終的なかぶせ物を装着して治療が完了しました。治療完了後も定期検診・クリーニング等でご来院いただいており、現在も経過は良好です。
年齢・性別 | 70代 女性 |
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治療期間 | 3ヵ月 |
治療回数 | 12回 |
治療費 | 299,200円(税込) |
リスクなど | ・過剰な咬合圧負担によって破折するリスクがある |
厚木・本厚木で歯質保存にこだわった歯科医院をお探しの方へ
さとう歯科クリニックでは、通常抜歯となる症例に関しても様々な処置を行い、できる限り歯質の保存に努めています。厚木・本厚木周辺で、できるだけ「削らない・抜かない」低侵襲の治療をお探しの方はぜひ、当院までお気軽にご相談ください。